Unknown-3

緑川アコさんの曲を初めて聴いたとき、そのあまりの不気味な声に強烈に惹かれた。
ブルースとか退廃が本当に似合う声だよね。深い闇の底からわき上がってくるよな女の悲しみを歌ってくれる希有な存在。いまじゃこんな歌手絶対現れないよ。まぁ当時でもこれだけの存在感ある歌手はなかなかいないけど。 

クラウンレコードのその時代のムード歌謡にピッタリの
声質。クラウンレコードと言えば同時代に美川憲一さん、青山ミチさんなどが活躍していたが、
どうしてクラウンレコードってこういう素晴らしく不気味な(いい意味で) 作品を作っていたんだろう。
60年代後半ってクラウンレコードの不気味で退廃的なムード歌謡 の全盛期だよね。70年代に入ると、
ややリズムが早まってきて、急かされる感があるし、60年代前半はまだまだ朗らかというか健全なムードなんだよね。 60年代後半のクラウンレコードの緑川アコさん、美川憲一さん、青山ミチさんの音楽は
酒に合うよ。 

カスバの女もいいけど、B面の「星降る夜のブルース」が最高。今の曲調と違ってドンシャカでなく静かなんだけど、よく聴くとベースとかドラムがジャズっぽくグルーブしててムード満点なのだ。アナログで聴くとサックスとかも熱く人間臭くて、ホント今の曲が冷たくて聴けなくなる。アナログ復活すればいいのに。